英語は、強い息の力で「鳴らす言語」です。まずは基本から一緒にやってみましょう。
腹式呼吸で p の音を発音する
お腹の下のほうが膨らむように、深く息を吸います。
その息で、試しに p の音を発音してみましょう。
閉じた唇の先から、一気に息を吹き出します。
[プッ]という感じですが、声は出しません。ヒソヒソ話をするときのように、息だけを吹き出します。
p の音は、閉じた唇の先から息が吹き出る音です。
口の前に垂らした紙片が大きく揺れるくらい息を吹き出しましょう。
p のように息が急に出ることによって出る音を破裂音(はれつおん)といいます。空気の破裂によって音が生まれるからです。
破裂音・摩擦音
英語には p, b, t, d, k, g の破裂音や
f, v, th, s, z, sh, h などの摩擦音(まさつおん)などがあります。
そのような破裂や摩擦などによる音は、
呼気の量と圧力が十分でないと相手の耳に届きません。
そこで、腹式呼吸を使って十分な呼気量と呼気圧を確保する必要があります。
英語ネイティブは、上で説明した破裂や摩擦などの音を頼りに相手の言葉を聞き取っています。
したがって、日本人が不十分な呼気で発音した破裂音、摩擦音などは、英語ネイティブにとっては不鮮明で聞きづらいのです。
英語ネイティブにもちゃんと聞こえるように、
腹式呼吸を使って、破裂音、摩擦音をはっきり発音してあげましょう。
いくら練習しても足りないくらい
日本語を母語として育った人には、
英語の呼吸法はいくら練習しても足りないくらいです。
英語がペラペラでも、呼気が不十分である人はよくいます。そういう人の場合、本人の気づかないところで、周りのネイティブがその人の英語を聞き取るために努力をしてくれていたりします。
録音してみよう
自分の呼気が十分かどうか、確かめる方法があります。
まず、自分の英語を録音してみましょう。
そして、何人かの英語ネイティブの発音と比べてみます。(たとえば、TED Talk の何人かのスピーチを聴いてみましょう。)
英語ネイティブの発音を注意深く聞いてみると、s~~[スーー]とか、sh~~[シュー]とかいう空気の摩擦の音や、t[トッ]とか k[クッ]のような破裂の音が頻繁に聞こえます。
自分の英語からも破裂や摩擦の音が聞こえるかどうか、録音で確認してみましょう。
ほとんどの場合、もっと英語の呼吸法の訓練が必要であることに気づきます。