基本1 英語の呼吸法

英語は、強い息の力で「鳴らす言語」です。まずは基本から一緒にやってみましょう。

 

腹式呼吸で p の音を発音する

お腹の下のほうが膨らむように、深く息を吸います。

その息で、試しに p の音を発音してみましょう。

閉じた唇の先から、一気に息を吹き出します。

[プッ]という感じですが、「プ」は言いません。息を吹き出すだけです。

p の音は、閉じた唇の先から息が吹き出る音です。

口の前に垂らした紙片が大きく揺れるくらい息を吹き出しましょう。

p のように息が急に出ることによって出る音を破裂音(はれつおん)といいます。空気の破裂によって音が生まれるからです。

 

破裂音・摩擦音

英語には p, b, t, d, k, g の破裂音や

f, v, th, s, z, sh, h などの摩擦音(まさつおん)などがあります。

そのような破裂や摩擦などによる音は、

呼気の量と圧力が十分でないと相手の耳に届きません

そこで、腹式呼吸を使って十分な呼気量と呼気圧を確保する必要があります。

 

英語ネイティブは、上で説明した破裂や摩擦などの音を頼りに相手の言葉を聞き取っています。

したがって、日本人が不十分な呼気で発音した破裂音、摩擦音などは、英語ネイティブにとっては不鮮明で聞きづらいのです。

これは、多くの日本人が気づいていないか、気づいていても心を配りきれていない部分です。

 

英語ネイティブにもちゃんと聞こえるように、

腹式呼吸を使って、破裂音、摩擦音をはっきり発音してあげましょう。

 

いくら練習しても足りないくらい

日本語を母語として育った人には、

英語の呼吸法はいくら練習しても足りないくらいです。

英語がペラペラでも、呼気が不十分である人はよくいます。そういう人の場合、本人の気づかないところで、周りのネイティブがその人の英語を聞き取るために努力をしてくれている場合が多いのです。

 

録音してみよう

自分の呼気が十分かどうか、確かめる方法があります。

まず、自分の英語を録音してみましょう。

そして、何人かの英語ネイティブの発音と比べてみます。

英語ネイティブの中の、特に話し方がはっきりしている人の発音を注意深く聞いてみると、s~~[スーー]とか、sh~~[シュー]とかいう空気の摩擦の音や、t[トッ]とか k[クッ]のような破裂の音が頻繁に聞こえます

自分の英語からも破裂や摩擦の音が聞こえるかどうか、録音で確認してみましょう。

ほとんどの場合、もっと英語の呼吸法の訓練が必要であることに気づきます。

 

2割うまくなる!

呼吸法ができるだけで、日本人の英語発音は2割くらい(人によってはもっと大幅に)改善します。

この2割というのはとても大きく、今まで通じなかった英語が、急に通じるようになったという人が多くいます。

これは簡単な気付きのようなものですが、1人でやるより、呼吸法をきちんと理解している教師に見てもらうべきです。

なぜなら、呼気量、呼気圧は、少し強めればよいというものではなく、何倍も何倍も強くする必要があるからです。

大掛かりな発音矯正講座に進めなくとも、1回だけの発音矯正をうまく利用すれば、自分に必要な呼気の強さの感覚を掴むことができます。

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